
博士の愛した数式 (新潮文庫)
小川 洋子
映画になりましたね。
映画は観ました。映画の感じはいい塩梅に忘れているのですが、まぁよいお話だったと思います。
2人の女性の過去にある、重たくてなんとも言えないものを限りなくあっさりと自然に描き、でもその真ん中に博士がいるという。
映画では義姉のそのやるせなさが強めに描かれていましたが、あれは映画だからなんだろうなぁ。
80分しか記憶が持たない博士が、一人の少年の成長に大きな大きな影響を及ぼしてる。
博士の中には彼の存在すら残らないけれど、残された人の中に強烈にその存在を残している。
思い思われっていうのもそういうものなんだろうなぁと私は思う。
それは、純粋なもので、義姉は家政婦親子が博士と関わったことでその純粋さを獲得していく。
うーん。切ない。でもいい話。
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