本の記録
読書感想文。
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マドンナ・ヴェルデ
03月 17日 * 13:13 * 海堂 尊 *
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どうやらこのブログで海堂尊を紹介するのは初めてだったみたいです。
カテゴリがなかった。

とはいえ、文庫化のタイミングで追っかけて読んでいる作家さんです。
チームバチスタの栄光、ジェネラルルージュの凱旋あたりがメジャーなのでしょうか。
現役のお医者さんで作家という方です。

作家というよりお医者さんなのだよなあ。とこの人の作品を読むたびに思う。
医者として伝えたいことをせっせと小説にしているという印象。

さて、マドンナ・ヴェルデはジーン・ワルツという小説の続編にあたります。
続編というよりはもうひとつのジーン・ワルツという感じ。
同じ話を主役を変えて描いています。

舞台は産婦人科。テーマは代理母出産。
生みの親が母なのか、遺伝上の親が母なのかという問題。

代理母。代理で生む人はその事とどう折り合いをつけているのだろう。
これは小説を読む前から思っていること。
母の母性は妊娠中にも育っていくっていうのは事実だというのは、自分が妊娠してみた実感から。
代理で生む人の中にはその母性は育たないんだろうか、というのが私の疑問。
8ヶ月も自分の体を占領し続ける胎児。
私には自分の子でなければ、あんな大変な思いは出来ないだろうなあと思うのです。
でも他人の子をお腹の中に預かるっていうのは、なんだかすごく大きなプレッシャーのような気もします。
簡単に「代理母」と言っても代理で産む人はスゴイと思う。乗り越えるべきものがたくさんである。

小説には私が感じたこのような事も盛り込まれていました。
実の娘の子を生むという戸惑い、混乱。
生まれてくる子は我が子であって孫でもあるという複雑な感じ。
不可解に感じるうえになかなか理解できない娘の言動。

お母さんだから無理なことでも絶対やってくれる。という、娘である理恵の持つ確信を私は自分の親に対して持つことが出来ない。多分私の子どもたちも私に対してそういう感覚は持っていないと思う。
どちらが一般的なのかはわからないけれど、私は主人公であるみどりのようにはなれないなと思ってしまった。

代理母の是非を問われると、私には「わからない」としか言えない。
子を持つことに関して、自分の子という認識をどこに依って持つのかはその人それぞれだとも思う。
代理母によって生まれた子供を誰の子供として扱うのかという法律的・医学的な立場からの見解とか。

私にはすでに子供が3人いて、もう子供が産めない人の気持はわからない。
想像しても実際自分がそうなったときにどう思うかなんてことはやっぱりわからない。
子を自分で産めない人がもし自分の子供を欲しいと思った時に、たくさんの選択肢があることはいいことだと思う。
その候補のひとつとしての代理母出産というものがあるなら、それは悪いことじゃないと思う。
きちんとルールを作って、っていうのが大前提になるとも思うけれど。

母と娘の確執のとおりに、ジーン・ワルツとマドンナ・ヴェルデは相対する立場から物語を綴っている。
順番通りに2冊読むことをおすすめしたい小説です。

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